~について
罪の価は死である。
キリストの死によって、罪びとの罪は贖われることとなった。
原罪、死すべき定めを備えて生まれ落ちた命。
生命には死の可能性が内包されている。
生命を生かすためには他の生命の犠牲が必要である。
時代は不幸なしに越えることはできないのか?
幸せは犠牲なしに得ることはできないのか?
なによりも価値のある、大切な命が、
他の命を糧にしなければ保つことすらできないという
現実、矛盾。
生―死。
序列、対立。
声、聞こえない叫び。
芽吹いては枯れ行く。
執着に執着し、執着しない事にも執着する。
只管、遠いのか。
この手にないだけでそれは近くにあるのか。
月は遠いが、地球からは付かず、離れず。
指を指したこの先に、果たして月はあるのだろうか。
宇宙、虚空。
三間四方の舞台の上を、無限の虚空に繋げた世阿弥。
面はおもてで裏はなし。
さかひ、おもひ、ゆめ、まぼろし。
あるともいえぬし、ないともいえぬ。
希望、絶望、空、地平。
遠くへ行こう、遠くへ行こう。遠くへ…