絡新婦の爪先

いちばん書きやすいところにあった日記のようなもの。

吶喊は、乾いた荒野にて。

話す言葉も、謡いあげる詩もなく、書き連ねる文字もまたない。

 

森の奥深くで誰にも知られずに滴った水のように

戦場で突撃する兵の叫び声のように。

 

聞くものも、見るものもないままに。

 

書いたそばから消してしまおう。

話したその瞬間に忘れてしまおう。

 

今はそんな気持ちで、書いていけたらと思います。